『座して平和は守れず』 田母神俊雄

e0028123_21323914.jpgあるべき意見を堂々と語っている本。
確立されてしまった人間の社会でタブーを破るというのは、かくも大変な作業なのかとあらためて知った。

アメリカ人がナショナリズムを語れば、星条旗がひるがえり、右手を胸に国歌が悠然と鳴り響き、日本人が聞いても熱い盛り上がりを感じる雰囲気で表現される。 ところが日本人が愛国心を語れば、すぐに偏った人間と見なされてしまう。

そんな日本において、自らの専門知識と経験をもとに、あいまいさ抜きの意見が語られているところが小気味いい。 また、「あいまいな国際法が世界のルールを決めている」の章では、知らなかった国際法の常識を教えてもらったし、東京裁判から靖国参拝までをこんなに分かり易く自分の意見を語っている本はなかったと思えてしまう。 あいまいさを排除すると、こんなにもすっきりするものか!

以下、本編より

「核のない不安な世界と、核がある平和な世界」
  「核兵器が出現してから現在まで、核兵器を持った国同士が大規模な戦争をした例はひとつもありません。 もし核兵器を使えば、自分たちも報復されるどころか、ともに甚大な被害が発生するという怖さがあるからです。 核兵器や化学兵器は戦争の発生を抑止するとともに、たとえ戦争になっても戦争の拡大を抑制する兵器なのです。 これからは戦闘力を直接ぶつけ、戦火を交え合う戦争という手段を使わなくなるだろうと思います。・・・」
  「核兵器はよく、大量殺人兵器と言われますが、使うことを目的として保有するわけではありませんし、第一、絶対に使われることはないのです。 ただ外交交渉のバックにあって、相手国を動かすために保有するだけの話です。・・・」
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by Hhisamoto | 2009-06-28 21:31 | ■えせ文化人(本、映画・・)
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