東洋医学が教える脳の「養生法」 酒谷薫

e0028123_21314578.jpg誰でも知っている「東洋医学」という言葉だけれど、その実態についてはほとんど知らないことに気づかされる。身近にある医学の常識を疑ってみる、ということに積極的な私には興味深く読むことができた。

たとえばこの本にはユニークで面白い概念がたくさん紹介されている。「一般に西洋医学では、病気でなければ健康、健康でなければ病気というように、二律背反的に考える。 一方、東洋医学では健康の程度には高い状態から低い状態まであって、それが低下すると病気の状態に至るというように連続的な見方をする。」そして、この低い健康状態のことを未病という言葉で表すという。

さらに人間の身体の概念に「脳」という臓器がなく、五臓すなわち「心・肝・脾・肺・腎」と六腑「胆嚢・胃・小腸・大腸・膀胱・三焦」が要になっているそうだ。では、脳はどこにいってしまったのかというと「身脳一如」といって東洋医学では脳の機能は五臓に分配されていると考える。そして、心は「喜ぶ」、脾は「思う」、肺は「悲しむ」、腎は「恐れる」、肝は「怒る」など、臓腑はそれぞれの感情を生み出すという。

ボクシング仲間でもある脳神経外科医の酒谷先生の書かれた興味深い著書だが、難をいえば話題が広範囲に渡りすぎていて、おそらく書籍の構成ページ数の兼ね合いで短くまとめてしまった話しも多いのではないか、とも思えた。 ぜひ、さらなる続編を書いていただきたい。
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by Hhisamoto | 2011-09-06 21:32 | ■えせ文化人(本、映画・・)
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