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築地「中栄」と銀座「ナイルレストラン」

夕方、築地にて仕事を終えた。 ここからカレーを食いに行くことを考えると、近くではインドカレー「中栄」という老舗が築地市場の中にある。 中栄は市場で働く者のためにある食堂なので、午後2時で閉まっていることは知っていた。

中栄の名物メニューに「合いがけ」¥600がある。 例えばビーフカレーと印度カレーを、山脈のように盛られたゴハンの両側からかける。 ハヤシライスを組み合わせることもできる。 その「合いがけ」をジャンパー姿の市場の若い衆に並んで、店の活気と共にいっきに食う。 味のウンチクは無用。 口にかき込むように食らうのだ。 「ごっそさん!」の声と共に、600円はカウンターの上にパシッと置く。 手渡しはしない。 「魚河岸のまん中でカレーライスを食ってやったぞ」とばかりに、活きのいい魚を横目に大またで中央卸売市場の門を出てくれば、非日常的な満足感に浸ることができるというものだ。

今日のところは、趣向を少し変えて、「銀座スイス」のカツカレーをめざして歩くことにした。 少し冷える季節ではあるが、晴海通りを行き、道路を隔てたところから夕暮れに映えた歌舞伎座を見れば、なかなかの景観だ。 海外からの観光客風金髪オネーサンが、地方からのおのぼりさん風おばさんと、肩を並べて小型のデジカメで歌舞伎座を撮っていた。 私も肩を並べたい心境になったが、デジカメを持っていない。 高精度デジカメの付いたケータイが欲しくなった。 

築地「中栄」と銀座「ナイルレストラン」_e0028123_017545.jpgさらに東銀座を行くと、昭和通りにカレー屋らしき看板を発見。 「銀座ナイルレストラン」だ。 ここの2代目オーナーG.M.ナイルさんは、マスコミ出たがりオヤジとのこと。 しかし、先代から日印友好に大きな功績を持ち、カレーの素材は今もインド直輸入と聞いていたのを思い出し、今日のカレーはこのお店に予定変更!

店に入ると、腹のせり出したインド人が「どうぞどの席でも」と話しかけてくる。 店は決して広くないが老舗らしいイイ感じだ。 向かいの席には、タレント格闘家のボビーに似た黒人が彼女と楽しそうにカレーを食べていた。 定番というチキンカレーを注文。 マハラジャビールを飲みながら待つこと10分、さきほどの腹の出たインド人がカレーを運んできて、その場でフォークとナイフを使ってチキンの骨を器用に取り除いてくれる。 ハズレを覚悟で「あなたがナイルさん?」と聞いてみると、「ぼくは社長じゃない。 ぼくはただの労働者。」との返事。

さすがにいい味にまとまっているインドカレーだと思うが、落ちつきすぎていてスリルがない、と言ったら失礼なのだろうか。 マッシュポテトのようなものがライスとは別に盛ってあるのが特徴で、これがあるので「混ぜて食べてね」というのだと理解した。 店内の壁画も目を引くものがあり、お腹の出たインド人労働者といっしょに記念写真でも撮りたかった。
やっぱり高精度なデジカメの付いたケータイを買おう。 
by Hhisamoto | 2005-12-08 22:00 | ■B級グルメ
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