『新・八五郎出世』 立川志の輔

e0028123_119075.jpg出張で山口県宇部へ向かった。
全日空の機内で何気なく聴いた番組の「落語」がなんとも面白かった。 立川志の輔が語る『新・八五郎出世』 という江戸人情話しだ。

「宵越しの銭はもたねぇ」と威勢だけはいい貧乏長屋の大工・八五郎。 その妹・つるは、お屋敷奉公の下働きをしているとき、殿様の世継ぎの子を宿して奥の座に着くことになる。 その知らせが、母親と二人で長屋に暮らす八五郎のもとに届くと共に、お屋敷に来るようお呼びがかかる。

長屋の大家に借りた衣装で袴姿をどうにか作り、言葉使いにくれぐれも気をつけるようにいわれながらお屋敷に上がる八五郎。 酒を振舞われ、酔いにまかせて本音を語る八五郎の言葉から親想い・妹想いがにじみ出る。 八五郎が気に入ったお殿様は「士分」に取り立てて禄を与えようと言葉をかけるが、背伸びをせずに、いまの自分が生きている場を大切にしようとする八五郎の想いが掛け合いになる。 

八五郎 「うちにはババアがいるから、長屋を出て侍奉公なんてできないの!」
殿様  「ならば、母親もいっしょに屋敷へ来るがよい」 
八五郎 「うちのババアは、井戸端がないと生きていけないの!」 ・・・

といった八五郎の間抜けな言葉の数々に、やさしい想いと人情がぎっしりと詰まっている。
元々あった「八五郎出世」という古典落語を、志の輔が人情話しに作り変えたらしい。 こんなオリジナル化が許されるのも立川流だからだとするば、それもすばらしい。
お薦めの落語の一つです。

もし、もう一つ好きな落語を挙げろと言われれば、三遊亭金馬の『芝浜』。
酒ばかり飲んでいる男が芝浜で大金の財布を拾うが、妻の言葉によってこれを夢と諦めて改心、懸命に働き、後に妻から事の真相を知らされるという人情話し。

それにしても落語は、噺家しだいでまったく違うものになることを感じる。
やっぱり最後は「人」なのかな~。
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by Hhisamoto | 2007-08-31 22:11 | ■えせ文化人(本、映画・・)
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