フランツ・カフカ 『変身』

e0028123_11123055.jpg「ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、ベッドのなかで自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついた。・・・」で始まり、家族にさえ疎まれながら最後は自室の暗闇で衰弱して死んでいく。 読後感はと問われれば、どうにも重苦しい話し。

フランツ・カフカという人は、生涯を一役人として暮らしながら作品を残したというが、社会的な名声や表現する舞台を得なかったことから、粛々と平凡に市井として生きる民としての、心の内面を表したのかもしれない。

e0028123_11345644.jpg同じく比喩の利いた話しでは、ジョージ・オーウェルの『動物農場』がある。 豚が法律を制定し、農場を支配する様子を描いていたが、この話しからは社会を構成するヒエラルキーや支配の成り立ちを比喩していることがはっきりと読み取れる。 しかし、カフカの『変身』は、もっともっと心象的に人間の深い部分を表現しようとしているんだろなぁと思えた。

どうも最近、新刊本との出会いが少なく、この手の20世紀初頭モノに立ち戻っている。 
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by Hhisamoto | 2008-03-08 11:11 | ■えせ文化人(本、映画・・)
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