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小田原でカレーとあんパン

e0028123_1952843.jpg仕事でひとり小田原へ行った際、昼飯を食べる時間が作れたので、駅の東口へ降りると、私を待ち構えていたかのように『カレー屋 パク森』小田原店があった。 

『パク森』は横濱カレーミュージアムに出店していることで知られ、またオーナーシェフの森幸男氏が「TVチャンピオン」カレー職人選手権でチャンピオンになったことでも知名度の高いお店だが、私はまだ食べたことがなかった。

「女性を意識したヘルシーでまろやかな味が特徴」と聞いていたが、色とりどりのメニューが並ぶのはそのせいか。 メインメニューである「パク森カレー」(ドライカレーとカレーソースの合いがけ)を食べたが、たまねぎ、トマト、スパイスの配合がおおよそ見当がつく味だった。 チェーン店舗展開しているお店にはどうしても限界がある。


e0028123_20424890.jpgパク森を出て時間を持て余していたので、東口商店街をぶらつくとすぐに『守屋のパン』というレトロな看板が目に入った。

5,6人の白衣すがたのおじちゃん、おばちゃんたちが元気に働いている様子につられて店頭へ行くと、「いらっしゃいませ! 何にしましょうか、あんパンもありますし、出来立ての季節限定白あんパンもあります!」と、見物だけではすまされそうもない雰囲気につつまれてしまう。 

森繁久弥とかフランキー堺が出ている日本映画の風景が脳裏をよぎる。 今は昔、アルミトレーに積まれたパンが、ガラスのショーケースに並べられている。 バスケットとトングを持って好きなパンを取るのではなく、ショーケースの向こうに立つ白い三角巾を頭につけたおねーさんに「これとこれクダサイ」と注文するシステムのこんなパン屋さんが、街の普通のパン屋さんだったのではないだろうか。 

小田原初心者の私は(気弱にも)勧められた通り「それじゃあ、その白あんパンを下さい」と2つを白い紙袋に入れてもらった。 手にするとあんが満載でずっしり重く、パンが薄皮のようなあんパンだ。 一つは歩きながら食べたが、大型のまんじゅうを食べているようで、2つ目はカバンの隅っこに入れて持ち帰り、嫁さんへのお土産にした。

これから初めての客先に訪問して、たくさんの人を前にしてプレゼンテーションに望む緊張感はまったく湧いてこなかった。 
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by Hhisamoto | 2006-09-26 19:41 | ■B級グルメ

リーペリンのウスターソース

e0028123_21393597.jpg個性的で、美味しいソースを見つけた。
リーペリン(LEA & PERRINS) のウスターソースだ。

このソースの味には不思議な辛さがある。 洋からしのようにも思える自然な辛みだが、裏面の原材料欄には醸造酢、砂糖、糖蜜、野菜、タマリンド、たまねぎ、にんにく、アンチョビー、食塩、香辛料 とあって、特に辛さのもとになるような素材は見当たらない。 しかし、この味はなんともいえないインパクトを持っている。 

実は、このリーペリンは世界トップクラスのウスターソースとして世界70カ国以上で愛用されていたらしいが、(欧米諸国では認められているが)日本では認められていない食品添加物である乳化剤ポリソルベートが使用されていることが判り、昨年から日本での販売が禁止となっていた。 そのポリソルベートを製造工程から除いたとかで、今年の4月から販売が再開されたらしい。

輸入販売している明治屋のホームページによると、イギリスのウスターシャー地方の薬剤師リー氏とペリン氏によって完成されたウスターソースの原点がこの「リー&ペリン ソース」だそうだ。

1837年の販売開始以来、改良を重ねてきた技術により、タマリンドをはじめ、秘伝のスパイスがブレンドされた、さらりとした調理用ソースで、素材のうま味を引き出し、独特のこくと深みを与える。 特に肉料理の下味や隠し味に使うと、お肉がさらにしっとりとジューシーになるという。 私は、串カツにもこのソースは抜群に相性がいいと思った。

イギリス料理はまずい、とひと言で片付ける前に、このソースを食卓に!
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by Hhisamoto | 2006-09-24 21:38 | ■B級グルメ

化学物質との付き合い方 2冊

レイチェル・カーソン著 「沈黙の春」 (Silent Spring)

e0028123_235497.jpg化学物質のデータベースを扱う仕事に就いて、まだ日が浅い私は知らなかったが、長く化学の分野にたずさわる諸先輩でこの本を知らない人はいない。 人間が、動植物を生産するために利用した化学薬品が、破壊の種として自然界を駆け巡り、ふたたび人間に襲いかかることになる、と今から40年以上前に具体的な警鐘をならした名著とされている。

しらみの駆除などに、頭から白い粉をかけられている終戦直後の日本の写真を目にしたことがあるが、そのDDTや除草剤のIPCなどの話しから始まり、発がん性や死に至る有害性について述べられている。 説得力を得るための事例としては、アメリカでの異変を例にしたものが多い。 広大な農場に、セスナ機で空から農薬を降らせていた国で起きた数々の凄惨な実例を挙げている。 大国になるために、結論を急いだこの国が支払った代償について述べられているようにも読めた。

そして最終章でカーソン女史は、「・・その行きつく先は、禍いであり破滅だ。 もう一つの道は、あまり人も行かないが、この分れ道を行くときにこそ、私たちの住んでいるこの地球の安全を守れる、最後の、唯一のチャンスがある。」 と述べている。

半世紀が経った今、人類はしかるべき安全への道を選択したことになっているのだろうか?


安部司 著 「食品の裏側」
著者はこの本で、「しかるべき安全への道を歩んでいるか否か?」 を自己評価しているのかもしれない。

e0028123_23543441.jpg元・食品添加物の専門商社のトップセールスマンだった著者は、自らが生み出した『ドロドロのクズ肉に、30種の添加物を加えて蘇らせたミートボール』が、ある日、妻が用意した食卓に並ぶのを目にする。 そして、自分の子どもたちがおいしそうにそのミートボールをほお張る様子を見て、思わず「ちょっと待て!」とミートボールの皿をあわてて両手で覆ってしまう。

ペットフードにするか廃棄していたクズ肉を蘇らせて、スーパーの子ども向け大ヒット商品にしたミートボールの例のほかにも、この著者は数々の輝かしい商業的成功例を持っていたが、家族に食べさせられないものを世の中に広めていた自分の行為が、軍事産業の「死の商人」と同じように思えてしまい出す。 

そうなると、自分の住む街にアトピー性皮膚炎の子どもが多いことさえも、その責任の一部が自分にあるようにまで思えてきて、罪悪感にさいなまれるようになる。 しいては新たな「目覚め」と認識するようになり、会社を辞めるに至る。

自らの生きる道を潔く選択した著者の声は全編によく表現されているし、かつ専門知識とあいまって内容も分かりやすく伝わってくる。 例えば、コーヒーフレッシュが、牛乳からできていると思って利用していたら大間違いであることも再認識させられた。 あれは、植物油に水を混ぜて、添加物で白く濁らせて、さらに調整剤等を混入してミルク風に仕立てたものだそうで、一滴の牛乳も使われてはいない。 

言われてみれば、乳製品が常温であんなに日持ちするわけがないのだが、世の中にあまりに多く出回っていると、何の疑問も持たなくなる我々人間の感覚は怖い。 恩恵も多大な化学物質との付き合い方を、私も、もっと真剣に考えていきたい。
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by Hhisamoto | 2006-09-16 23:48 | ■えせ文化人(本、映画・・)

SAYURI

e0028123_14581218.jpgハリウッドが日本の芸者を描いた映画でまともなものを見たことがなかったが、嫁さんが借りてきたビデオ「SAYURI」を見て驚いた。 

出演者の多くは中国人などで日本人は少ないが、文化的な表現は精巧で、映像は美しく、その完成度は高い。 アメリカ人から見た「フジヤマ、芸者・・」などの中途半端な理解の延長にはない。 芸者が、文化的な芸と色香を売る女性の中間、という微妙な位置付けの上に美しく生きた存在であったこと。 またそれは、女性の生きる術が限られた時代が生んだ、希少で必要とされた存在であったことも見逃せない。 そのようなテーマがはっきりと伝わってくる。 おそるべしスピルバーグ!

『貧しい漁村に生まれ、9歳で花街の置屋に売られた少女・千代。そこには、千代と同じ境遇のおカボという少女と、花街一の売れっ子芸者、初桃がいた。下働きの辛さと、初桃の執拗ないじめに希望を見失いかけていた千代に、ある時、“会長”と呼ばれる立派な紳士が優しく声を掛ける。この一瞬の出会いが千代に確かな希望をもたらした。以来、芸者になって会長さんにもう一度逢いたいと夢見る千代。15歳の時、そんな千代に転機が訪れる。一流の芸者、豆葉が千代を芸者として育てたいと申し出たのだった。そして、豆葉の厳しい指導の末に千代は芸者“さゆり”となり、やがて花街一の芸者へと花開いていくのだった…。』
(映画紹介HPより)

原作の『さゆり』は、アーサー・ゴールデンの世界的ベストセラーなので図書館から借りて読むことにした。 主演は「HERO」のチャン・ツィイー、共演に渡辺謙、役所広司、桃井かおり、工藤夕貴といった日本人勢がいる。 また、「グリーン・デスティニー」のミシェル・ヨー、「花の影」「さらば、わが愛/覇王別姫」のコン・リー(この女優さんは特にすばらしい)など、豪華な俳優ぞろいだ。

千代の父親役に最初だけ登場する「マコ」という日系人のハリウッド俳優がいる。 
私は西海岸で仕事をしていた時、マコさんにロサンゼルスで2度お会いしたことがある。 1度目は、チャリティオークションのあるパーティ会場で、知合いの社長さんにマコさんを引き合わせていただき、話しをした。 2度目はオレンジカウンティのレストランでたまたまお見かけしたので親しげに声をかけたが、マコさんは私のことをまったく覚えていなかったほろ苦い思い出がある。
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by Hhisamoto | 2006-09-02 15:02 | ■えせ文化人(本、映画・・)