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年末の不眠症 『スポーツ番組』

夕食のあと、眠気に逆らえずソファーで心地いい眠りについてしまう。 そして、目覚めてから明け方まで目がらんらんと冴えてしまう日が続いている。 まずいサイクルだなと思いながらも、年末のこの時期だからと、成るがままを決めこんで深夜TVを徹底的に見ている。 普段はあまりテレビを見ないせいなのか、あるいはこの時期だからなのか、面白い特集番組があるように思えた。 

e0028123_1433094.jpgそのひとつに、ドーハアジア大会の特集モノがあった。
ちょうどチャンネルを合わせた時には、女子レスリングを特集していた。 私はレスリングのルールをよく理解していなかったが、女子レスリングにはグレコローマンなどはなく、フリースタイルのみであること、『コイントス』なるものがあって、運命が左右されることなどをはじめて知った。

48キロ級の伊調千春は順当勝ちで金メダル。 その妹の63キロ級・伊調馨はライバルに苦戦したが、コイントスで得たチャンスを逃さずに勝った。 72キロ級の浜口京子は、逆にコイントスでチャンスが相手に廻ってしまって負けた。 アテネ五輪で負けた王旭との試合だったが、実力が拮抗しているため、第1ピリオドで差がつかなかった。 延長戦に入る際に審判が直径10cm近いコインを投げた。 落ちたコインはマットの上をコロコロところがり相手の面が上をむいた。 延長戦再開時には、トスで勝った方が相手の足に組み付く姿勢で開始される。 最後は0-2で敗れて金メダルに手が届かなかった。 

レスリングがこんなルールの下に闘っていたとは知らなかった。 負けた直後、浜口の紅潮した顔がいっきに蒼く燃えるような顔になっていったのが印象的だった。


e0028123_215544.jpg12月23日~24日まで北海道で行われた全日本スプリント選手権が映し出されていた。 そこで岡崎朋美は、9年ぶり3度目の総合優勝を果たした。 

「まだ、若い者には負けません」とあえて口にして、若手を鼓舞することも忘れない。 この人にはレベルの高い美しさを感じる。


e0028123_2356341.jpgシアトルマリナーズ・城島の活躍も、私にとっては今年のメジャーリーグの印象的なニュースのひとつだった。 

日本の野球と違い、役割の低いキャッチャーの立場で努力する城島。 特に鳥肌の立つ思いがしたプレーは、5月19日にホームで行われたインターリーグでのサンディエゴ・パドレス戦。 イチローがライトほぼ定位置にてフライをつかむと、城島へノーバウンドで矢のような返球。 タッチアップした三塁走者の猛烈なタックルを受けて吹っ飛んだが、城島がボールをこぼさずにアウト。 仁王立ちする城島の顔が忘れられない。 
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by Hhisamoto | 2006-12-29 00:43 | ■おやじスポーツ

熊谷達也 『邂逅の森』

e0028123_163153.jpg私が今年読んだ中でいちばん面白かった小説、といったら間違いなくこの「邂逅(かいこう)の森」。 

大正期・第一次大戦前後の東北地方に生きる『マタギ』の生き様を描いた内容だが、人間の存在が生き物としてどうあるべきかを示しているような生々しさがある。 心をじかに触られるような不思議な感動を味わえるのは、人間を動物として描いている部分があるからだろうか。

山本周五郎がいま生きていれば、こんな作品を書くのではないかと思わせてくれる。 しかし、著者の熊谷達也氏は、私より1歳年上だけの1958年生まれ。 同年代がこんな小説を書くのかと思うと、さらに興味深い。

話しは、マタギとして生きる男・松橋富治を通して人間の本分が描かれている。 マタギの本質や、女との交わりは動物のごとくもあるが、人間が集団で生きていくためには掟(ルール)が必要なことを悟り、生き方を決めていく富治がいる。 初恋の相手・文枝とは結ばれることなく、別の女と添い遂げる富治の生きることへの一途さと潔さも、男らしさという形容を超えていると思える。

『迷いが生じた時は、山の神様が教えてくれる。
ある時は動物に姿を変え、またある時は木々や森となり、風にも雲にも変化する。 ありとあらゆる空間に偏在しつつ、その時のマタギにとって最もわかりやすい姿になって助けてくれるのが、山の神様の実体である。』 これがこの小説のテーマ。 

頭で考えるのではなく、自分の直感を信じる。 もっと五感で感じたことをもとに行動する。

スケールの大きな本を読んだ後は気分がいい!
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by Hhisamoto | 2006-12-21 11:56 | ■えせ文化人(本、映画・・)

松坂大輔の「レッドソックスは3番目」

今週のスポーツニュースは、レッドソックスとの交渉が成立し、入団が決定した松坂大輔の記者会見の様子ばかりだった。 サラリーマンが喜びそうなこの種の話題は、電車の中吊り広告で十分と感じている私だが、インタビューでは面白いシーンがあった。 

6年契約が発表され、本拠地フェンウェイ・パークでの入団会見には日米合わせて約400人の報道陣が集まったという。 しかし、テレビに映った記者からの質問は、内容の薄い、思わせぶりなものばかりだった。

e0028123_23553795.jpg特に日本人記者からの質問はステレオタイプだった。
例えば、「今まで、甲子園優勝、プロ野球入団、日本のMVP、シドニーやアテネのオリンピック日本代表など、いろいろなことがあったと思いますが、このレッドソックス入団は、その中でも大きな節目になるのでは・・」との質問があった。 その質問の意図は明らかに、「人生最大の出来事です」という松坂の回答を期待したものだった。 しかし、松坂は、「自分にとっては、結婚、子どもの誕生、そして、その次に大きな出来事が今回の入団です。」と発言した。 なんとも男らしくて、カッコいい回答だなぁと感心してしまった。  いいぞ、大輔!
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by Hhisamoto | 2006-12-16 23:07 | ■おやじスポーツ

オークランドシティの岩本輝雄

e0028123_2136274.jpg昨日は、化学業界の方々約100名のお客様を集めて、東京でセミナーを開催した。 そのためにオランダから呼んだハンクさんという専門家のくせのある英語に苦労するなど、今週は一週間が短く感じられた。 気分を変えようと、一人で九段下のバー「ネバーランド」 のカウンターに座ると、FIFAクラブワールドカップ5位決定戦が映し出されていた。

ニュージーランドのオークランドシティと韓国の全北というクラブチームが対戦していたが、オークランドシティのベンチには、元日本代表の岩本輝雄がいた。 そういえば、Jリーグを引退したが、サッカーに未練を残していた岩本が、海外チームからの呼びかけに応えて現役に復帰したと聞いていた。 しかし、それがオークランドシティであり、国立競技場に凱旋していたとは知らなかった。 ニュージーランドといえば、ラグビーの「オールブラックス」なら知っているがサッカーの話題など、聞いたことがなかった。 

映像で見る限り、ベンチの岩本は自分の出番が来るのが待ちきれない様子に見えた。 ようやく後半に出番がまわってきた時には、高ぶって空回りする自分の気持ちを抑えながらプレーしているようにも見えた。 そして、試合が終了し、インタビューマイクが向けられると、「悔しい」、「後悔が残る」などの言葉を連発。 そして、まだまだ現役でやりたいと、言葉だけでなくからだ全体で表わしていた。 そのじっとしていられない様子がなんとも面白かった。 現役にこだわる人の気持ちは態度・表情にしっかり現れるのでよく分かる。 オークランドシティはアマチュアチームだという。 メキシコのクラブチームでもいいと本人はいっているらしい。 プロ・アマの違いではなく、現役にこだわって続ければいいと思う。 男は、ほてるような熱い想いを残したまま現役をあきらめることなど、絶対にできないはずだから。
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by Hhisamoto | 2006-12-15 23:31 | ■おやじスポーツ

A級グルメ 『分とく山』のゴハン

e0028123_19285270.jpg広尾『分とく山』の総料理長・野崎洋光さんが、金子ボクシングジムの先輩であることを教えてくれたのは、後輩の福井英史氏だ。 かつて自由が丘にカジュアルフレンチのレストランを開いていた福井氏は、現在カレーの通販のみで勝負している料理人。 同じ道の大先輩でもある野崎さんとお会いして話しをしたい! 料理を食べてみたい! ということから今回、気ごころの知れた男ばかりの三人で『分とく山』に席を設けるに至った。 

■野崎洋光総料理長(右)と、フクイカレーの福井英史 氏(左)

e0028123_19245146.jpg分とく山の1階はカウンター席で、2階はテ-ブル席になっているが、我々には離れの部屋を取ってくださった。 そして、野崎さんは料理の合間に何度も部屋に来てくれて、我々といろいろな話しをフランクにしてくださった。

野崎さんは、福島県出身の1953年生まれ。 上京して武蔵野栄養専門学校に通いながら、夕方から金子ジムで練習をされていたという。 アマチュアの代表選手として戦績を重ね、プロのリングで上を目指すか、あるいは料理の道を取るかで悩まれた。 当時、ジムのチャンピオンだった岩田健二さんやリッキー沢さんらからも、人生を示唆する話しをもらったという。 プロになってどこまでやれるのか? ランキング入りか、日本チャンピオンか? あるいはもっと上までいけるのか? また、ボクシングを引退したあとで料理の世界に入れば、同輩の後塵を行くことになる。 それを考えると、二者択一をせざるをえなかったという。

e0028123_1914046.jpgボクシングの道を断念し、料理の道に入った野崎さんの活躍は、すでに著書、雑誌、テレビ等のマスコミでも知れているが、この野崎さんは常に人柄がにじみ出る柔和な表情で、丁寧な話し方をされる。 料理の世界でありがちな暴力的な教え方なども一切してこなかったという。 現在も70名の弟子をみているが、殴って上達するならいくらでもそうするが、決してそんな単純なものではないと笑う。 こんな温和な人柄が表れる話しをいくつも聞くことができた。 

e0028123_19131538.jpg店にメニューはなく、1人1万5千円のおまかせコースのみ。 日本酒「八海山」をほどよい燗で飲みながら食事を味わった。 スッポンをベースにしたスープから始まり、香りのきいた岩のりとアワビを合わせた料理やカニに至るまで、すべて素材を活かした美味しいものばかりだった。 

特に驚いたのは、土鍋で炊いたゴハンの美味しさだ。 まさに光っていた。 口に含み、香りを感じながら噛めば噛むほど味わい深い。 鍋底からほどよく取れるおこげの歯ごたえもよかったし、湯気の香りを味わえるほど美味しく炊かれたゴハンだった。


e0028123_1947127.jpg特別な農法により育てられている契約農家のお米を使用していると聞いていたが、これほど違いがあるとは思わなかった。

デザートに至るまでの、ボリュームたっぷりの料理と7合のお酒で、すっかり満足した我々は、店の離れで夜の7時から11時まですごした。 帰りの際には、野崎さんの著書「ご飯のおかず」までいただいた。 そして、どのお客様が帰られる際にも行っているように、野崎さんをはじめとした板さんたちが、我々を乗せたタクシーが完全に見えなくなるまで店の外で見送ってくれた。 日本料理の心は「もてなし」にあり、とあらためて知らされた。

福井氏、斉藤氏は、このあと国分寺の私の家まで来てくれて、さらに夜中の3時まで飲み明かした。 最近、こんなふうに徹底して飲んで話しをすることも少なくなったので、なんとも楽しく満足感のある夜だった。
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by Hhisamoto | 2006-12-01 23:59 | ■B級グルメ