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台湾料理の老舗 渋谷『麗郷』

e0028123_14532318.jpg学生の頃、初めてピータンというモノを食べて、その不思議な旨さにびっくりし、これはタマゴを土状のものに包んで醗酵させたものだ、と聞いてまたびっくりした覚えがある。 その店が渋谷・道玄坂の老舗『麗郷』だった。

妖しい風俗店が居並ぶ渋谷・道玄坂の抜け道にあった『麗郷』。 渋谷生まれの私には、良くも悪くも想い出が多い街だ。 『麗郷』はいつも混んでいたので、店に入った際には隣の客と肩をぶつけるようにして、せわしなく食べて飲んでいた記憶が残っている。 当時にして珍しかった「大根餅」や「豚のミミ」などを紹興酒と共に食べた。 その麗しい(?)思い出の店『麗郷』の姉妹店が、代々木から渋谷NHK方面に抜ける通りに、富ヶ谷店としてオープンしていたとは知らなかった。。

e0028123_14525858.jpgこれもまた、参宮橋のオザキボクシングジムからの帰り道に、代々木公園ヘルスケア鍼灸院の飯田氏と共に訪れた。 『麗郷』定番の豚耳、腸詰めから、水餃子、焼そば、チャーハンといったオーソドックスな注文をして男2人で食らいついたが、道玄坂店の味をしっかり踏襲していてとても旨かった。

2人で飲んで食べて6千円ほど。 この味でこの値段であれば、どこで店を開いても十分にお客が着くのだろう。 9時半に入店した時にはほぼ満席だった。 
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by Hhisamoto | 2010-10-18 10:28 | ■B級グルメ

自然派ワインのプロデューサー 『トロワザムール』 (BMO)

e0028123_10381630.jpgアヒルストアで飲んだワインを求めて、自然派ワインをプロデュースするBMO株式会社のアンテナショップ 『トロワザムール』に行った。

代官山にあるこのアンテナショップで、私が買い求めたのは、ドメーヌ・ド・ベルビュ(フランス ラングドック地方)のカベルネ・ソーヴィニヨン(赤)が2本、グロロペティアンが1本。

このカベルネは、ブドウ造りに手間をかけ、さらに高級ワインと同じく丁寧に澱(オリ)を取って行く行程を惜しまずに作られ、そこから味わえるコクがあるとのこと。 その他にも、コストパフォーマンスの良いワインばかりが揃っているように思えた。

素材の味を大切にしているレストランなどに出会うと、その店の料理人は、シェフや板前というだけでなく、生産者のプロデューサーの役目をはたしていると感じることがある。 食材をプロデュースするという意味では、この『トロワザムール』(BMO)は、自然派ワインのプロデューサーとしての役割を十分に果たし、単なる輸入業者とは一線を画していると思う。 

『トロワザムール』のHP (http://3amours.com/) にある「スタッフ渾身の一本」という推奨ワインのコーナーが面白い。 かわいい女性スタッフが顔写真入りで、自ら選んだ推奨ワインを丁寧に説明している。
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by Hhisamoto | 2010-10-11 19:58 | ■B級グルメ

7坪のワインバー 代々木八幡 『アヒルストア』

e0028123_2233819.jpgフリーライター井川直子さんの書いた本 「僕たち、こうして店をつくりました」 に紹介されている9つの店の1つが、この『アヒルストア』。

自称「アヒル顔」?の兄妹で経営する店だが、元来、兄の齊藤輝彦さんは千葉大工学部建築学科を出ている店舗デザイナーであり、とても「アヒル顔」などと言えない美しい妹の和歌子さんは、パン職人だとこの本で知った。

そして、この店に行ってみたいと最も思わせてくれたのが、お兄さんのワインの話し。
兄の輝彦さんは、自分の店を開業するために、一年間恵比寿の自然派ワインショップ「トロワザムール」で修業をする。 自然派ワインとは、健康的な土壌の畑で、除草剤、殺虫剤、化学肥料等を使わずにブドウを育て、極力自然な力を利用して作られたワインのことで、渋みはないし、たくさん飲んでも二日酔いしないという。 この店での修業中に兄の輝彦さんは、「オリヴィエ・クザンという生産者の赤ワイン『グロロペティアン』を飲み、頭で考える前に、感覚でこんなに気持ちのいいワインがあるのかと、思わず泣けてしまった」と語っている。

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この日、小田急線参宮橋の「オザキボクシングジム」でサンドバックを叩き、汗を流す。 金子ジムの元日本Sフライ級チャンピオンの木谷がマネージャーを務めるボクシングジムだ。 久しぶりのミットを2ラウンド打ち続け、スタミナ不足の私はへろへろになって練習を終える。

練習後、やはり金子ジムOBの田口さんと、OBで代々木公園ヘルスケア鍼灸院院長の飯田氏と共に、代々木八幡にある『アヒルストア』へ行く。 カウンター8席と、樽をテーブル代わりにしているスタンディングスペースはすでに満員状態。 妹の和歌子さんに無理を言って席を作ってもらい、そこで3人分のアラカルトをみつくろってワインと共にオーダーした。

兄の輝彦さんに「どんなワインがいいかを感覚的に言ってくれれば、近いワインをお持ちします」と言われ、私は、普段飲む好みのワインがスペイン産ワインであること、この店はこだわりの自然派ワインを出してくれると聞いているので楽しみにして来た、とのことを話すと、まもなく3本のワインを持ってきてくれた。

そのうちの1本(銘柄はすでに忘れたが)を選んで飲んだ。 このフランスワインの特徴はワインの液体がトロッとした流動性を感じることで、味にも特徴があった。 結局3人で2本のワインを開けたが、一緒に飲んだ田口さんはこのトロッとするワインの方が旨かった、と称賛した。 つまみにしたのは、写真にある(ちょっと風変わりな)ソーセージやパテをつけて食べたパンなど。 どれもちょっと変わっていて美味しかった。 

素材を大切した自然派の味は、食後感が良く飽きがこない。 また来てみたいと思わせてくれる。
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by Hhisamoto | 2010-10-08 21:02 | ■B級グルメ

『食の職』 小さなお店ベルクの発想 迫川尚子

e0028123_2058383.jpg新宿「ベルク」の店長、井野朋也に続いて副店長の迫川尚子が描く「ベルク」の世界観がこの本。 また、本の中で語られている創意工夫と仲間意識で作り上げた継続と努力の店が、新宿駅東口へ行けば見ることができ、実感できることが最高に面白い。

私は店に何度か訪れているが、本に描かれているように、店員はホットドックはマスタードもつけずにそのまま食べてくれと、素材を味わえと言わんばかりにプレーンな食べ方を勧めてくる。 また、先日オーダーした「大麦と牛肉の野菜スープ」は変わった味で、あのスパイスは必ずしもみんなに好まれる風味ではないと思えたが、飲み終えた後の感触が実にいい。 自然本来の味と本物の材料を味わう人、個性的な味を求める人を惹きつけるものを持っている気がした。

また、この本では、身近にいる天才!と称して、コーヒー職人、ソーセージ職人、パン職人 との個性豊かな人物との対談も載せている。 各人がそれぞれの道で自分の舌と味に妥協を許してこなかった姿が垣間見れる。

そして「お店は表現だ!」という章では、著者の「味」に対する思い入れの強さが表れている。 いま、食に大きな興味を抱いている私には大きな愉しみと勇気を与えてくれる本だった。
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by Hhisamoto | 2010-10-06 20:54 | ■えせ文化人(本、映画・・)

『新宿駅 最後の小さなお店 ベルク』 井野朋也

e0028123_19432566.jpg新宿駅東口の地下にある、15坪のベルクという個人経営のファーストフード店をコンサルする押野見喜八郎さんいわく、店舗数3,746店のマクドナルド、4,141店のすかいらーくグループなどは、外食産業において多大な功績を残すと共に、ロボットのようなマニュアル型接客と徹底した調理の効率化による簡便料理を蔓延させた。

一方で、このベルクはその対極をいくかのように、個人店として、血の通った、生身の人間同士の触れ合いのある接客サービスと、きちんと手作りされた心のこもった料理で勝負している、と評している。 

そして私が驚くのは、店の経営に関する指標を惜しみなくしっかりと書いてくれていることだ。 例えば、材料のコストは、ソフトドリンク、フード、アルコール、おつまみ、物販 の5種類に分けて売上構成比とコスト比率を挙げている。

1日の売上げは55万円を超え、平均来客数は1,500人、材料コスト42.5%、家賃は7.5%、水道光熱費4.5%、消耗品費3.2% など、数字がきれいに公開されている。 逆算すれば、坪単価が8万円を超えることも分かる。

また、店の経営者として、駅ビルオーナーから契約をめぐって立ち退きを迫られる問題を抱えていることにも堂々と触れている。 権力と資本だけでいいものが作れるわけではない、人の満足はもっと地道な努力から生まれるものだ、と主張して譲らない。

この本は、明らかに著者が後に続く個人経営をめざす人たちのことを考えた思いやりに満ちた、熱い一冊だと思う。 個がもっと尊重され、個性のある個人経営店の時代がやってくることを希望し、後進のために次の「4つ武器」を提言して締めくくっている。

1.未経験であること。
2.同志。
3.助言者。
4.多額の借金。
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by Hhisamoto | 2010-10-05 19:38 | ■えせ文化人(本、映画・・)

新宿 『ベルク』 体験 ②

e0028123_1954438.jpg自然卵を使っているというゆでタマゴもくせがなくて美味しい。 最もこだわっているというコーヒーもおいしかった。 味や香りが濃いわけではなく、分子が細かくて染みとおるような印象で、飲み終えた後の感覚がすっきりしていていい!

ハムの盛り合わせ(マイスターミックス)は、どれも美味しかった。 添加物などを使わずに自然の素材にこだわった食材をいただくと、いつも思うことは、味に驚くべきインパクトがあるわけではない、ということ。

つい商業主義に毒されている私は、テレビでタレントが 「なにこれ~、うま~い!」 と目からうろこが落ちるようなそぶりで語られる ”生まれてはじめて食べたうまいもの” という未知との遭遇を期待してしまうことがある。

しかし、惜しみなく手間が掛けられた自然派食品のおいしさとは、むしろ口にした時のインパクトは大きくない。 すんなりと口になじむ、という感覚だ。 そして食後感が非常にいい。 腹にもたれるなどということはあり得ない。 口に残るすっきりとしたうまみ感が、「できればまた食べたい」と思わせる。

私の持っている自然派食品の感触とは、そのようなものだ。
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by Hhisamoto | 2010-10-04 04:03 | ■B級グルメ

新宿 『ベルク』 体験 ①

e0028123_19253878.jpg人があふれ、雑然としたL字の店内。 どうしていいのか分からないでいる私に、カウンター越しの店員が「お決まりでしたらこちらからどうぞ」と招く。

もし、オーダーできてもどこで食べればいいのか、と席取りの心配が頭をよぎるが、今日はこの「ベルグ」で出されるコーヒーとハムの『味』を体感しにきたのだからと覚悟を決めてオーダーする。

ブレンドコーヒー(¥210)とマイスターミックス(¥480)、それとカウンターにあったゆでタマゴも一つ加えてもらった。 トレーを持って振り返るとたまたま(きたないオヤジの隣に)やっと座れるスペースを見つける。

確保した狭いシート席でコーヒーとハム・ゆでタマゴを味わうことに集中していると、「この席いいですか?」と席をさがして男女3人が目の前に立っている。 私がカバンを置いていた席を指していることに気づく。 自分のトレーを置くのがやっとの小さなデーブルだったため、目の前のイスには当然だれも座らないと思っていた場所だった。

「どうぞ」とうながすと女性が私に背を向けて座り、すぐに3人で話し始める。 狭い店内では、こんな相席もあるのか、と思い、カバンをどけて足元に移すと、こんどはとなりに座っていた若い新人OL風の女の子が、そのカバンはつめれば置けるので、自分の横に置くといい、と言ってスペースを作りだした。 なんともおせっかいでありがたい。

一人でグラスビールを飲んでいたかわいい女の子だったので、素直に受け入れて、私とその子の間に置かせてもらった。 思わずこれを機に話しかけてみようかと思ったが、若い子に言いよるスケベなオヤジの光景が頭をよぎり、おとなしく食べることに戻ったが、店の密度は万事、同胞意識を持たせるのに十分だった。

「密度の濃さがものごとの熟成を促す」というのは真理だと思わせる ”大阪ナニワ風” の親近感が湧く空間がベルクにはある。
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by Hhisamoto | 2010-10-03 22:38 | ■B級グルメ