1Q84 BOOK3

e0028123_293328.jpg同タイトルの3巻目ともなると、読者の期待の高まりとその反発も大きいようで、村上春樹に対してといえども、そのできばえについて賛否両論があるようだ。(読者はきびしい!)

たしかに三人称表現が突如表われたりするところは戸惑う。 個々の登場人物ごとの章単位で話しを進める構成に無理が出てきたようにも感じてしまい、村上春樹は最初から3巻以降を想定していたのだろうか? それとも売れたから書き足したのだろうか? と考えてしまう。

徘徊する魂は精神性を超えたスピリチュアルな話しだし、タマルや牛河の生きざまなどはピカレスクロマンになっている。 さらに、聖母マリアのごとく、交わらずして受胎する・・。

しかし、現実的かどうかなんてもちろん問題じゃなく、感情移入できて面白いかどうかがまず小説として重要なのだろう。 3巻目もベストセラー街道まっしぐらで、いまさらだけどやっぱりこの話しには惹きつけられる。

圧倒的に面白かった!
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# by Hhisamoto | 2010-04-27 23:03 | ■えせ文化人(本、映画・・)

映画 『幸せのレシピ』

桜に代わってハナミズキの街路樹がきれいに咲くこの季節がいい。 
ハナミズキに象徴される春と夏の間のこの季節が好きだし、突然ぶり返してきた寒さもおさまり、この週末は天気もよくなりホッとした。 また、ハナミズキは、日本がワシントンシティに桜を送ったお礼に受けた樹であることを妻から聞き、桜に劣らない返礼をするとは「ワシントンシティも、なかなかやるなぁ~」と勝手な思いをめぐらせた。

e0028123_22225570.jpg(少し古いけれど)そんな春にふさわしい、あたたかく優しい映画 『幸せのレシピ』 を観た。 英語名は(No Reservations)。 2007年のスコット・ヒックス監督のアメリカ映画。 2001年のドイツ映画『マーサの幸せレシピ』のリメイク作品だそうだ。

マンハッタンの高級レストランで女シェフ「ケイト」を演じるのはキャサリン・ゼタ・ジョーンズ。 年齢を重ねてますます魅力が膨らむような女性だ。 

たとえアメリカであっても高級レストランのマスターシェフに女性はめったにないだろうと思われるが、その厳しいレストランの厨房の世界は妥協なくきっちりと描いている。 目が回るほど忙しい厨房で、考えられないような緻密でデリケートな味を皿の上に表現していく仕事。 部下への指示・差配も的確で予断の入る隙間を許さない。 もし女性シェフが存在するとしたら、たしかにこのようなレベルの高さが必要なのだろうな、と思ってします。

レストランの厨房モノ(そんなジャンルはないだろうけど)は、個々の人間性が著しく表れるのでとても好きだ。
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# by Hhisamoto | 2010-04-24 23:44 | ■えせ文化人(本、映画・・)

フクイカレー2010

e0028123_21303293.jpg石垣島のラー油がひそかな人気を博しているらしい。 餃子用のラー油ではなく、どんな料理にも合う調味料として使えるらしく、私の身近では、それを食したことのあるオザキボクシングジムの木谷マネージャーが絶賛していた。

フクイのカレーでも、スパイスの研究から生まれた「フクイのラー油」を商品化するということで、私のもとに届いた。 フクイ氏からは「あったかいゴハンにたっぷりのせて召し上がって下さい!」と言ってもらったので、もちろんゴハンでもおいしく食べさせてもらったが、この際なので、いろいろなものに手当たりしだいに組み合わせてみた。 その中で意外とイケたのが刺身! ホタテの刺身などは、ホタテ本来の甘みをより引き出してくれるような気がした。

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  「フクイのカレー」とは
  愛知県豊橋のカレーシェフ・福井英史氏が作る至極のカレー。 
  現在、電話(0532-61-4269)による通販でしか入手することができません。


e0028123_11313429.jpg ポークカレー辛口   400g (2食分) ¥758
 ハヤシソース      400g (2食分) ¥758
 チキンカレー(大辛)  400g (2食分) ¥819
 フクイのカレー2010  450g (2食分) ¥880

 おまかせ (お電話にて直接お問い合わせ下さい)
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# by Hhisamoto | 2010-03-06 21:28 | ●『フクイのカレー』

オーストラリアのクリケット

e0028123_9222611.jpg1年半ぶりのオーストラリア出張は、1月16日から23日までとなり、ちょうどテニスのオーストラリアンオープンの最中にあたった。

オーストラリアは、英国文化7、アメリカ文化3の比率の国。 テレビのスポーツ番組では、連日クリケットの試合が流されていて、試合内容がまったく理解できない。

オーストラリアンオープンテニスには、英国のウィリアム王子がをロイヤルボックスのような特等席で観戦しに来ていた。 今大会、スイスのロジャー・フェデラーは、だれが見ても優勝すると思えるほど圧倒的な強さを見せていた。 また、ジャスティン・エナンの復帰参戦も話題になっていた。

今回の出張は、サプライヤーとの商談のためだが、仕事の日程を前倒しに終わらせてしまい、オーストラリアンオープンのテニス観戦を楽しむ密かな野望を持っていた。 結論から言うと、前倒しどころか仕事が押してしまい観戦は夢となった。 それでも、わずかな時間を使って、レンタカーをとばしてシティにあるメルボルンパークのセンターコート、ロッド・レーバー・アリーナの前まで行って雰囲気だけ味わってきた。 

先週までは、40度を超える猛暑でだったそうだが、私の行った日から極端に気象が変化。 20度を下回るという状態で、オマエはラッキーだ、とみんなから言われたが、その時点で2つ目の野望「日焼けして帰国」が夢と消えた。


e0028123_92828.jpg海岸近くで見つけたアジア系の小さなレストラン。 ひとり出張の寂しさと空腹を満たしてくれた。

ゴハンとおかずを自由に選べるのはチャイナ・スタイルだが、味付けは日本のしょうゆを使っていたり、野菜炒めには味噌をほどこすなどの工夫がされている。 さらにカレーが日本でも十分通用する美味しいビーフカレーだったことには驚き。 思わずインド料理研究家の香取先生に報告したくなった。
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# by Hhisamoto | 2010-01-30 22:05 | ■おやじスポーツ

プロボクサー「木村隼人」

e0028123_22282356.jpg12月3日の深夜のドキュメンタリー番組を録画で見て驚いた。 木村隼人という日本ではなじみのない名前のボクサーが、中学卒業と同時にタイに渡り、プロボクサーとして韓国などを主戦場に闘っている様子を収めた話しだった。

日本のプロテスト受験資格は17歳であるため、15歳以上でプロの資格を得られるタイに渡り、15歳でプロデビュー。 4戦4勝3KOでタイ国内フライ級4位にランクされた。 その後、韓国に渡り、韓国チャンピオンクラスと戦いながら、韓国スーパーフライ級ランキング3位、さらには18歳5か月で日本人初の韓国国内王者となったという。

現在WBOという団体があり、木村はそのWBO世界ランキング6位に位置する。 2009年12月までの戦績は16戦15勝10KO1敗、KO率は62パーセントだという。 テレビでしゃべる木村の声はトーンが高く、女性的で線が細い印象を与えるが、海外で戦えるようなたくましい日本人選手が少ない中で、ボクシングにおける活動はグローバルであり、孤高としている。 

テニスやゴルフの試合がそうであるように、舞台がある場所であれば世界中どこへでも行って戦い、結果を競って賞金を得る。 これがプロフェッショナルだと思える。 そんなたくましい選手が現代の日本の若手に存在していたことが驚きだった。 木村選手のような感覚をもって世界を転戦している人間にとっては、「アウェー」などというひ弱な言葉は持ち合わせていないのだろう。

そして、ボクシングスタイルがいい。
リーチがあり足を使えるので、アウトボクシングに見えるが、ここ一番となると、しびれるような至近距離で思い切った打ち合いをするボクサーファイターだ。 クリンチなどのインサイドワークはまったく見せずに、頭を付け合うようにしてボクシングをする。 大言壮語もなければ、威圧するようなパフォーマンスもない。 ただ、リングに上れば、切れ味のいいスピードボクシングで相手を圧倒する。

地道に本物のボクシングをしている存在。
プロボクシングはこうでなければいけない!
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# by Hhisamoto | 2009-12-15 21:20 | ■おやじスポーツ

ジョージ・オーウェル 『一九八四年』

e0028123_043782.jpg2巻合計の発行部数が223万部という大ベストセラー「1Q84」の影響で、村上春樹が出典としたジョージ・オーウェルの 『一九八四年』が、わざわざ新訳本でハヤカワ文庫から出版された。 大手書店では、村上春樹のコーナーに並べて置かれているので読んでみたが、その容赦のない過激さに驚いた。

現代の村上春樹が描いた1984年は近過去だが、著者のジョージ・オーウェルは1903年~1950年の人だから、近未来を描いたことになる。 その近未来では、ビッグ・ブラザーが支配する全体主義体制の国家であり、国民のすべてが「テレスクリーン」という監視カメラ付きのモニターで見張られた社会で生活している。

人々は国家体制に隷従することを常として、子どもには学校教育で洗脳教育を施され、不穏な親の動きを見張り、反体制的な態度が少しでも見られる親を国家に通報することを美徳と教え込まれている。 国家が考え方を強制するだけにとどまらず、心から隷従させ、わずかな隙も見逃さない恐ろしい社会が築かれている。

主人公のウィンストンは恋人ジュリアと、地下組織の存在を信じ、また少数派であっても正常な人間は自分であることを信じて行動を起こすが、思考犯罪者として捕らわれの身となる。 拷問は精神的にそして肉体的にと過激を極める。 そして、死の選択をも許さずに社会に還元する徹底ぶりが描かれている。

近代の欧米映画に出てくる拷問シーンなども、このジョージ・オーウェルの描いた情景が影響を与えているのではないかと思えてしまう。 キアヌ・リーブスが演じた「マトリックス」という映画では、心象シーンこそが現世界にほかならない、という世界観があり、これはフランスの思想家ジャン・ボードリヤールの影響を受けて書かれた原作ということになっているそうだが、これにも近いものがある。

村上春樹の「1Q84」には、救われる思いがする部分が残されているが、このジョージ・オーウェルの 『一九八四年』には、救いが残されていない。
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# by Hhisamoto | 2009-12-04 22:41 | ■えせ文化人(本、映画・・)

映画 「グラン・トリノ」 を観た

e0028123_23475288.jpg大阪出張での宿泊先に、御堂筋のアパホテルを選んだ。 ロードショウを観るために有楽町まで行きながら、混んでいて観れなかった「グラン・トリノ」。 それが思いがけずオンデマンドで観れたのが嬉しかった。

斜陽のデトロイトで隠居暮らしをしている老人コワルスキー(クリント・イーストウッド)。 フォードの自動車工であった彼が大切にしているのは、そのフォードのヴィンテージカー「グラン・トリノ」。 (グラントリノは車の名前だった!) 

朝鮮戦争での暗い経験が、彼の心を支配している様子がよく伝わってきた。 アメリカの産業の衰退と、彼自身の老齢による衰えが相まって哀愁がただよう。 その反面、隣人のモン族の姉弟との関係は人間らしく思えたし、教会の若い神父の存在もよかった。

ただ、最後の最後のシーンで、タオが譲られたグラントリノをにこやかに運転するシーンには納得がいかない。 コワルスキーがギャングと対決する前の時間帯は、夕方から夜なのに、まだ太陽の高く違和感があったのも興醒めするところだった。 クリント・イーストウッドは、監督としてディテールにもっとこだわってほしかった。
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# by Hhisamoto | 2009-11-06 23:42 | ■えせ文化人(本、映画・・)

映画 『あの日、欲望の大地で』

e0028123_139852.jpg東急Bunkamuraのル・シネマで観た映画。 存在そのものがセクシーなこの女優が、主演のシャーリーズ・セロン。

セロンが演じるシルビアは、洒落た海辺のレストランでやり手の女マネージャーとして働いているが、私生活ではセックスに溺れ、自傷行為を続けている女性。 その自傷行為の理由が母親から始まる深い過去にある、という話し。


e0028123_12585474.jpg人間が罪の意識を持ってしまった場合、その溝を埋めるために自分を傷つける行為に走ることがよく理解できるストーリーだ。 

愛していた自分の母親を死に至らしめた10代の彼女が、ライターの火で自分の手首を焼くシーンがある。 自分にライターの火をかざしながら、「こんなものは熱くない」と醒めた表情を崩さない場面が印象的だった。 人間というのは「心」の部分のウエイトが大きい動物だとあらためて感じる。
・・・ そして、そんな彼女にも「救い」が訪れる。
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# by Hhisamoto | 2009-11-01 12:57 | ■えせ文化人(本、映画・・)

フクイカレー2009

e0028123_22411537.jpg青果卸しの店から梨を安くわけてもらった。 この秋、最も美味しいと評されている「あきつき」(秋月)という品種の梨だそうで、幸水など3種の良さを掛け合わせて作り出されたと逸品だという。 食べると甘さが際立ち、みずみずしくてなんとも美味かった。

ビールもワインも、カレーを食べながら飲むには違和感を感じる。 やはりカレーにはチャイやヨーグルトのような濃いめの飲み物が合うと思うが、くだものを合わせるとしたら、この「あきつき」のような甘くみずみずしい梨がいいと思えた。 しかし、その梨の旬の季節は短く、10月も後半になると入荷が極端に減るという。

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  「フクイのカレー」とは
  愛知県豊橋のカレーシェフ・福井英史氏が作る至極のカレー。 
  現在、電話(0532-61-4269)による通販でしか入手することができません。

  (紹介されているサイト

e0028123_11313429.jpg ポークカレー辛口   400g (2食分) ¥656
 ハヤシソース     400g (2食分) ¥709
 ポークカレー2009  400g (2食分) ¥758
 フクイのカレー2009 450g (2食分) ¥860

 おまかせ (お電話にて直接お問い合わせ下さい)
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# by Hhisamoto | 2009-10-13 22:40 | ●『フクイのカレー』

村上春樹 『1Q84』

e0028123_12475213.jpg話題先行で色めくベストセラー本に食いつくことのない私の性格を知っているはずの弟から廻ってきた本。
読めば、いとも簡単に魅せられてしまった。

心や想いの強さが通じなければ、人間として生きている意味が半減してしまう、という感覚。 誰でも持っている感覚だから共鳴するのだろうか? 読んでいる間、自分の小学生のころの思いや同級生の顔が浮かんでくる不思議な時間を過ごすことになる。

ミヒャエルエンデのモモとも異なる啓示がある。 大人向けのファンタジー、という単純な言い方も当てはまらない深さと真摯さをもっていて、とにかく面白い。 村上春樹さんの著書はもっと抑揚の少ない物語だったような記憶だったが、それも私の認識違いか。 2冊あるが、上下巻ということではなく、BOOK1(4月-6月)、BOOK2(7月-9月)となっていることから、続編が期待できるし、内容としても完結していない。 素直に続きが読みたい・・
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# by Hhisamoto | 2009-09-19 12:44 | ■えせ文化人(本、映画・・)

中村うさぎ 『地獄めぐりのバスは往く』

e0028123_96246.jpgこの夏はこどもたちと過ごす時間を徹底的につくろう! という(ごくありふれた)思いを胸に抱き、2つの家族旅行を敢行した。

その一つは嫁さんが選んだ「きらめき九州4日間の旅」という(ごくありふれた)バスツアーだった。 旅行というものはオリジナリティや出会いがなくっちゃ楽しくない、とかねてより思いこんでいた私には、小旗をひるがえすバスガイドの後について歩き回る自分の姿をイメージすることができなかった。 要するに、出来合いのバスツアーを小バカにしていたのだ。 ところがこれが、私にとって目からうろこのきらめきツアーとなった。

羽田から福岡空港へは飛行機で往き、九州は湯布院・別府・高千穂・阿蘇・熊本・長崎をバスでめぐるツアーだったが、最も感心させられたのがこのバスガイドさん! 柳川から霊験あらたかな高千穂まで、巡る土地にまつわる神話や逸話をとうとうと語って聞かせる姿は語部だし、歌を聞かせ、アドリブで笑いをとるちょっとしたエンターテイナーでもある。 個人的に話しを聞いてみると、バスガイドの教科書があり、それを頭に叩き込むところから始めるそうだ。 さらに経験を積んだベテランは、教科書を超えた知見を加えてオリジナリティと味をかもし出すらしい。 明るい話しだけではなく、長崎の原爆話しに至るまで、土地を語り、人物を語り、歴史を語る。 幅広い老若男女の客を相手に、バラエティに富んだ知的な話しとユーモアで数日間の相手をする。 バスガイドがプロフェッショナル以外の何ものでもないことを思い知らされた。 バスツアーを軽視していた私が無知でした(失礼!)。

ふたたび福岡空港からの帰りの飛行機に乗ると、スタイルの良い美しいCAたちの微笑みに迎え入れられる。 素敵な容姿に見惚れながら席についたが、あのバスガイドと比べると、このCAたちにどのような芸があるのだろう?と余計なことを考えてしまった。 (それでも私はCAのおねーさんが好きだが・・)

飛行機で、たまたま私の隣の席になったお爺ちゃんがおしゃべり好きで、東京までの2時間を永延と話してすごす事になる。 よくよく聞けばただ者ではなく、早稲田の中学・高校で剣道師範をされている方で、今回は七段の昇段試験を受けに福岡に来ていたという。 私を気に入ってくれた様子はありがたかったが、この方の声が大きい。 本人は口元に手を置き、声を押さえているつもりらしいいが、とにかく声が大きい。 周りの客やCAたちのいぶかる顔を横目に、剣道の話しから教育の話しなど様々な興味深い話しを多岐にわたって話し続けた。(私はもっぱら聞き役だったが。)

名前も聞かずに羽田で別れたが、面白い出会いだった。

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中村うさぎ 『地獄めぐりのバスは往く』
各章「皆さま、本日は「地獄めぐりツアー」にご参加いただき誠にありがとうございます」から始まり、「浪費地獄」、「借金地獄」、「悪口地獄」、「博打地獄」と、自らの欲望を満たすことと引き換えに味わった地獄をバスツアーにたとえて語るオモシロ話し。 
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# by Hhisamoto | 2009-08-30 09:04 | ■えせ文化人(本、映画・・)

『利休にたずねよ』 山本兼一

e0028123_918629.jpg千利休の恋の話し。 それも、人生の根っこを決めた若き日の壮烈な恋の事件として描かれている。

利休は、秀吉の何の逆鱗に触れたために切腹を言い渡されたのか、史実として明確には残っていない。 殺される理由がわかっていないのだ。 作者はそこに目をつけた。 生涯をかけて美を探究する利休のモチベーションはどこからきたもなのか? それを、作者は追及したのだろう。

史実に基づいて創作される話しが歴史小説とよばれるのであれば、この『利休にたずねよ』は最高によくできていて面白い。 第140回直木賞作品。

天下をとった秀吉の唯我独尊の様子が戦国時代の背景として、実によく写し出されている。 そんな世界に、茶人や茶の湯とはどのような役割と趣向をもっていたのか、私などは不思議に思えていた。 ひとつだけ理解できることは、「ホスピタリティ」ということだ。 どんな時代にも、「もてなし」という表現力が人間関係を構築する上には欠かせない、ということ。(私は苦手なのですが・・) 現代においても、企業も政治家も、人が集まれば人間関係を作るために接待交際を行うが、戦国時代にも応接が必要とされたのだろう。

利休の切腹に至るまでの話しを、とりまく人間の目を通して各章で語られる構成になっている。 最終章に向かって一つひとつ扉が開かれていくように核心に迫っていく。 この構成が読み手を引きつけて離さない。  
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# by Hhisamoto | 2009-07-04 09:16 | ■えせ文化人(本、映画・・)

『座して平和は守れず』 田母神俊雄

e0028123_21323914.jpgあるべき意見を堂々と語っている本。
確立されてしまった人間の社会でタブーを破るというのは、かくも大変な作業なのかとあらためて知った。

アメリカ人がナショナリズムを語れば、星条旗がひるがえり、右手を胸に国歌が悠然と鳴り響き、日本人が聞いても熱い盛り上がりを感じる雰囲気で表現される。 ところが日本人が愛国心を語れば、すぐに偏った人間と見なされてしまう。

そんな日本において、自らの専門知識と経験をもとに、あいまいさ抜きの意見が語られているところが小気味いい。 また、「あいまいな国際法が世界のルールを決めている」の章では、知らなかった国際法の常識を教えてもらったし、東京裁判から靖国参拝までをこんなに分かり易く自分の意見を語っている本はなかったと思えてしまう。 あいまいさを排除すると、こんなにもすっきりするものか!

以下、本編より

「核のない不安な世界と、核がある平和な世界」
  「核兵器が出現してから現在まで、核兵器を持った国同士が大規模な戦争をした例はひとつもありません。 もし核兵器を使えば、自分たちも報復されるどころか、ともに甚大な被害が発生するという怖さがあるからです。 核兵器や化学兵器は戦争の発生を抑止するとともに、たとえ戦争になっても戦争の拡大を抑制する兵器なのです。 これからは戦闘力を直接ぶつけ、戦火を交え合う戦争という手段を使わなくなるだろうと思います。・・・」
  「核兵器はよく、大量殺人兵器と言われますが、使うことを目的として保有するわけではありませんし、第一、絶対に使われることはないのです。 ただ外交交渉のバックにあって、相手国を動かすために保有するだけの話です。・・・」
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# by Hhisamoto | 2009-06-28 21:31 | ■えせ文化人(本、映画・・)

吉井 妙子 『サバイバー』

e0028123_2136451.jpg 斎藤真由美という元バレーボール日本代表選手がいた。

全日本デビュー当時は、可愛い容姿からアイドル扱いされたが、外見とは異なりこの人の根性は筋金入りだ。 中村高校に進学し1年生でレギュラーとなって活躍したが「まだ若いから」という理由で国体の東京選抜のメンバーから外された事に抗議し、高校を中退してイトーヨーカドーにさっさと行ってしまう。 日本リーグではエースアタッカーとして活躍し、さまざまな賞を総なめにする。 怪我も多かったが、交通事故の悲運に遭ったときには、もはやこれまでかと思ったが、なんと4年のブランクを経て復帰した。 その頃のドキュメンタリーをテレビで見て驚いた記憶が私には残っている。 その斎藤真由美を支えてきたのが、この本の主人公名将「アリー・セリンジャー」であったことは初めて知った。

日本のスポーツ運営組織のあり方には、バレーボール界に限らず、どのスポーツでも封建的な問題があるが、その中でもバレーボール界は特に問題が多いように思える。 社会的に大きく報道された大林素子と吉原知子の日立解雇などは如実な例だが、その他にも選手の自主性を阻害するVリーグの規定や不文律が多く存在するらしい。

堀江陽子は、高校卒業後、複数の強豪実業団チームの申し入れを断り、早稲田大学に進学してバレーボールを続けた。 実力は日本代表レベルであったが、日本バレーボール協会は実業団に属さないという理由だけで彼女を日本代表に選ばなかった。 それでもオリンピックをあきらめなかった堀江は、単身渡米、米国籍を取得して、アメリカナショナルチームのトライアウトを受験し合格。 ヨーコ・ゼッターランドとして1992年のバルセロナオリンピックに出場した。 そして米国チームのセッターとして銅メダルに輝くことになる。 米国チームのセッターは他にもいたが、日本戦でヨーコを起用して撃破するあたりは、ドラマチックであり、米国チームの力強さのようなものを感じて鳥肌がたった。 このヨーコ・ゼッターランドも日本のバレーボール界の封建的な部分と闘ってきた人だ。

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ポーランド系ユダヤ人の監督アリー・セリンジャーが、ダイエーの創始者・中内功の招きで来日し、ダイエーなどの監督として闘っていたこと。 山内美加、佐々木みき、吉原知子、栗原恵などを育て、つい最近まで日本女子バレーボール界に大きな足跡を残したこと。 そして、サバイバー(ナチスドイツのホロコースト政策の生き残り)であったことなど、峻烈な内容だらけだった。 特に前半のホロコーストに関する記述は、「一人の死は悲劇だが、数百万人の死は統計でしかない」という言葉に代表されるように、凄惨すぎて正直辟易した。
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# by Hhisamoto | 2009-05-30 21:36 | ■えせ文化人(本、映画・・)

14連敗の豊真将

e0028123_1274177.jpg平成21年5月場所、東前頭筆頭の豊真将は14戦全敗で千秋楽を迎え、西前頭五枚目の嘉風戦でようやく1勝を挙げた。 

それまで14戦全敗。 おそらく身体に何か支障をきたしていたんだろうと思われるが、この豊真将という人は説明や言い訳は一切なし。 もともと豊真将は、土俵で深々とお辞儀をする礼の良さと清々しさでファンが多いが、今回は、連敗が続くとあっさり休場してしまう力士との違いを見せた。 14日間負け続けても投げ出さずに堪える苦汁を想像できるファンも多かったのだろう。 1勝14敗で場所を終えることなったそんな豊真将に対して惜しみない拍手がおくられた。 

人の心を揺さぶるものは、いろんなところにある。
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# by Hhisamoto | 2009-05-24 18:13 | ■おやじスポーツ

茂木健一郎 『「赤毛のアン」に学ぶ幸福になる方法』

e0028123_21335035.jpg”ハナミズキの五月”は一年の中でも最も好きな季節だ。
最近の運動会はこの季節に行われる。

私の長女が今年から通い出した公立中学の運動会も今日開かれた。 なるほど、小学校の時とは異なり、プログラムの種目は「競技」一辺倒だ。 今までは「みんなで仲良く力を合わせよう!」と教わってきたが、これからは「勝ち抜く力を身につけよう!」と、競争原理の社会で生きるための力を養うことを宣言しているよう思えた。 極めて現実的でうなずける話しだと思うが、数年前に叫ばれた「ゆとり教育」なるものは、やはり理想でしかなかったのだろうか、という疑問も浮かんでくる。

そんな雰囲気が感じとれる中学校だが、入学式での校長先生の祝辞には、アンジェラアキの「手紙~拝啓15の君へ~」の話しが使われたそうだ。 『皆さんは、アンジェラアキという人を知っていますか? そう、昨年あの「手紙」という歌をうたった女性シンガーソングライターです・・』 から始まったそうだ。

中学時代は些細なことで悩み苦しむことが多い。 でも時間が経てばたいしたことじゃなくなることも多い。 どんな悩みにぶち当たっても、「大丈夫、未来はきっと解決している」そしてもっと自分を信じていいんだ。 今の中学生にそれを伝えたいと、この歌ではうたわれている・・・ 中学の校長先生にもなると、ここまで工夫した引用と表現を使う努力をしているのか、と感心した。


茂木健一郎さんの 『「赤毛のアン」に学ぶ幸福になる方法』は、アン・シャリーと共に想像すること、生きること、運命とは・・などの考えることについて大きな影響を受けた「赤毛のアン」について語られている。 一冊の本との出会いが至る幸せな関係が詰まっているので、その本を読む我々も幸せな気分になれる。 娘にプレゼントした女性銅版画家・山本容子さんが挿絵をしている「赤毛のアン」の全集をもう一度読んでみたくなった。
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# by Hhisamoto | 2009-05-16 21:33 | ■えせ文化人(本、映画・・)

天童荒太 『悼む人』

e0028123_2022411.jpg奇をてらわない等身大の評論が良かったノンフィクション作家・上坂冬子さんが亡くなってしまったことを惜しんでいたら、忌野清志郎が亡くなった。 彼の出身地に近い国分寺市と国立市を結ぶ「たまらん坂」という坂にちなんだ歌をうたっていたということで、今はこの坂の角に、おびただしい数の献花が供えられて、来る人も絶えない。

亡くなった方への想いを表現する「悼む」とは何なんだろう。 葬儀や告別式は残った近親者の事も含めた”ならわし”のようにも思えるが、「悼む」とは、あの世に行ってしまった者に対する”より純度の高い思い”のような気がする。

地にひざまずき、右手を頭上に挙げて空中に漂う何かを捕らえるように自分の胸へ運ぶ。 左手を地面すれすれに下ろして大地の息吹をすくうかのように胸へ運び、右手の上に重ねる。 目を閉じて、何かを唱えるように唇を動かす・・。 

第140回直木賞受賞のこの小説の主人公・坂築静人は、新聞などの報道を手がかりに、事故や事件に巻き込まれて命を落とした人々を亡くなった現場で「悼む」ため、全国を放浪していた青年だ。 こんなテーマと主人公が登場する話しは聞いたことがない。 しかし、余命6か月を宣告されたつれあいと最期の時間を過ごすため、長年に渡って大切にしてきた仕事を退職し、その死を看取った仲間の話しを聞いたとき、人生の時間の使い方についての貴重な話しを聞いた気がした。 もしかすると、この作者の想いもその辺りなのかもしれない。
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# by Hhisamoto | 2009-05-16 19:45 | ■えせ文化人(本、映画・・)

葉室 麟 『秋月記』

e0028123_1183914.jpg私はあの日、逃げない男になると決めたのだ・・
小四郎は釣瓶で汲んだ水を頭からかぶった。 涙を水で流したかった。 髷から滴をほたぽたと滴らせながら、(逃げない男になりたい)そう思って月を見上げた。

お前は臆病者の剣を使え。 臆病者だとあきらめてしまえ。 怖いがゆえに夢中で剣を振るうのだ。 されば無心になれよう・・。 その日から小四郎は屋敷に戻ると、ひたすら刀を振るった。

悪人を除いたからといって民百姓が豊かになるというものではない。 「正しいことさえ行えば」というのは、務めることからの逃げ口上になる時があるのだ。

わたしは葛を作ることができたから幸せです。思い残すことはありません。
ならば、なおのこと養生すればよいではないか。
いえ、もうよいのです。 わたしは、もう人の役に立ちましたから。

清廉潔白なお方やさかい、かようなものはお嫌いやろと思います。 そやけど・・
金というものは、雨のように天から降りまへん。 泥の中に落ちてるもんだす。 手を汚さんでとることはできまへん。 要は誰かが腹をくくって、手を汚すかや。

山は山であることに迷わぬ。 雲は雲であることを疑わぬ。 ひとだけが、おのれであることを迷い、疑う。 それゆえ、風景を見ると心が落ち着くのだ・・ 小四郎、おのれがおのれであることにためらうな。 悪人と呼ばれたら、悪人であることを楽しめ。 それがお前の役目なのだ。

「わたしはにげなかっただろうか」
「お逃げになりませんでした。 命がけでわたしを助けてくださいました」
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# by Hhisamoto | 2009-05-10 11:08 | ■えせ文化人(本、映画・・)

半島一利 『幕末史』

e0028123_214308.jpg前回の朝まで生テレビでは、北朝鮮のミサイル、核保有の問題から日本の安全保障のあり方までがテーマとなって語られた。 特に、田原総一朗をしてタブーを破ったと言わせた、前自衛隊航空幕僚長の田母神俊雄さんの「国防の本音」に近い発言は生々しく聞くことができ、非常に興味深かった。 力を持っていて使わない事と、力を持っていない事は違う。 使わないのならば持たない、とはならない現実は存在している。

討論ではもっと分かり易い具体例がいくつも示された。
太平洋戦争前の覇権国家の動向が、日本の参戦を煽っていたこと。 列強の植民地政策の厳しさ。 昭和天皇の戦争回避の思いと東條英機、等など・・ 僕らの歴史の授業の頃は、まだ近世・現代史は客観視できない時代だったようで、学年末の時間切れを理由に1940年代のいくつかの年号と事象を覚えさせられたにすぎなかったが、テレビ討論の内容は、その空白を少し埋めてくれたような気がした。

半島一利の「幕末史」は、さらに江戸末期から明治維新にまで時間をさかのぼって、現代日本の政治思想のルーツを探っているように思えて面白い。 鎖国とは何だったのか? ペリー来航の国際事情とは? モノ事には必ず理由がある。 しかし歴史は過去のことなので、著者によって見解には相違が生じる。 この半藤一利さんの歴史観は分かり易くて面白い。 「昭和史」という著書も読んでみたい。 

手塚治虫が「陽だまりの樹」という自らの先祖を題材に描いた幕末モノの傑作があったことを思い出した。
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# by Hhisamoto | 2009-05-03 21:05 | ■えせ文化人(本、映画・・)

『出星前夜』 飯嶋和一著

e0028123_20492436.jpg記憶に残る知人や亡くなった親類を思い浮かべた時、感謝の念に駆られる方々に共通していることは、利害や損得抜きで想いを現わしてくれた方々だ。 社会的に認められた成功でもなんでもない。 人は、心に届いた小さな言動や想いのために突き動かされたり、その後の生き方に影響を受けたりする。

春らしく暖かい日曜日。 こんな休みの日は自転車がいい。 午前中は国立にあるシュタイナーキンダーガルテンの運営委員会に参加。 午後は子どものバイオリン練習と買い物に付き合う。 空いた時間を見つけては、大月社長から譲ってもらった「出星前夜」を読む。  

外科医マグダレナに邂逅し、その献身的な人物・先駆的な医術を目の当たりにして、医師として目覚める漢方医の外崎恵舟・・。 「出星前夜」は分厚い単行本だが、1頁目から引き込まれてしまう。 島原の乱をモチーフにした小説だが、人が道を示し、感化された人がまた突き動かされる様が描かれている。 

2008年度の大佛次郎賞受賞作。 重みのある感動的な作品。
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# by Hhisamoto | 2009-04-19 20:46 | ■えせ文化人(本、映画・・)

クアラルンプールの夜

e0028123_14111635.jpg私にとってはじめての東南アジア出張となったクアラルンプール。

欧米と様子が違うことはかなり以前に聞いたことがあるが、体験によって実感することになった。 近代化しつつも、宗教感が日常生活を取り巻く社会。 亜熱帯特有の突然のスコールで洗い流されるようになる市街地。 そびえ立つ商業ビルと貧困が同居する街並み。 竣工の途中で資金が途絶えたために、そのままの姿で残るビル群。 有名無実となっている交通ルールなど、街ゆく人々はマイペース。 ・・・どれも興味深かったが、慣れるまでは少々疲れた。  

e0028123_14115391.jpgマレー系、中国系とインド系が混在するイスラム国家だが、豚肉も食べられる。 食べ物は何を食べても比較的安くて美味しいが、酒はビールをはじめ、コンビニで買っても高いため、酒飲みには面白くない。 

屋台も多く、その中でも肉骨茶(バクテー)は人気が高い。 南国なのでフルーツも非常に多彩でどれも美味しい。 ドリアンはポピュラーな果物として売られていたが、私は遠慮して食べなかった。 写真の料理は、マレー系のレストランで食べた魚を一匹まるごと使ったカレー鍋のような料理。 名前は忘れてしまったが、とても美味しかった。

慣れるまでの少しの時間と、英語の通じる余地があれば、私はまだまだどの国にも順応してみせる!
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# by Hhisamoto | 2009-03-14 14:08 | ■B級グルメ

映画 『チェンジリング』

e0028123_1102864.jpg以前は週に1~2冊のペースで本を読んでいたが、最近は背伸びをして英語の原書を読むため、(英語力の乏しい私は)途方もなく時間を要している。 本があまり読めなくなった今、海外出張などで飛行機を使う折に観れる映画が嬉しい。 3月初旬のクアラルンプール出張では、この『チェンジリング』を観ることができた。
舞台は実話に基づく1928年のロサンゼルス。 9歳の息子・ウォルターと幸せな毎日を送るシングル・マザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)。 そのウォルターが突然失踪する・・。 話しは、当時の歪んだ警察権力のあり方と異常犯の二面性を見せる。 その話しだけでも社会派ドラマとして熱くなるものがあるが、それだけに止まらず、アンジェリーナ・ジョリー演じる母のクリスティンの、繊細な糸をつむぎ合わせていくような力強さに、女性特有の芯の強さを見せられる思いがする。 さらに、究極の事態でとった息子の行動や消息など、2時間20分以上の長い映画だが、最後の最後まで心に訴えてくるシーンがある。

マグナムをぶっ放なしていた頃のクリント・イーストウッドも面白かったが、監督としてのクリント・イーストウッドも面白い。
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# by Hhisamoto | 2009-03-12 21:07 | ■えせ文化人(本、映画・・)

知らなかった 『ビッグイシュー』

e0028123_21271927.jpg地下鉄九段下で下車、九段郵便局から俎板橋(まないたばし)を渡る通勤路に、なにやら薄汚い身なりの男が雑誌を持って立っている。 

これが、イギリスで1991年に始まったホームレス自立支援プロジェクト『ビッグイシュー』の日本版であることを、私はつい最近、茂木健一郎の本で知った。 どこからか拾ってきた雑誌に値段をつけて売っているのだろう。 誰があんなものを買うか、とそれまでの私は思っていた。 そして、たまに雑誌を買う人たちを見て、不思議に思っていた。

一方的な金銭支援ではなく、寄付でもない。 働くことによる収入の道をつける自立支援プロジェクト『ビッグイシュー』は2003年から日本へも導入されているという。 知らなければ嫌悪感をも抱く自分の在り方に少なからずショックを受けた。 自分は、ホームレス救済を切実な社会問題として考えたことがあるのか? 自分がその身でないことでセーフティエリアにいるとでも思っているのではないか? 外見で人間を判断しない、などとは思い込みだけだった? 認知された社会制度がなければ人にはやさしくできないのか? ・・・自分への疑問が堰を切ったようにあふれた。
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# by Hhisamoto | 2009-02-08 21:25 | ■えせ文化人(本、映画・・)

新作 『フクイのカレー2009』

e0028123_104509.jpg今年の新作 『フクイのカレー2009』 を食べた。

鶏肉の手羽元をメインに用い、さらに豚バラを加えているという。 コクを出すために使用しているというバルサミコ酢のせいか、辛さは抑えられてバランスのいい味を出している。
もう一つ送られてきたのが 『豚肉とみかんのカレー』
まだ、試作段階らしいが、柑橘系の酸味がカレーにマッチして美味しい。
カレーのスパイスには、チンピやレモングラスなどがあるくらいだから、みかんがダイレクトに使われても不思議はないが、カレーに柑橘系の甘みと酸味がこれほど合うとは予想外。 とにかく今までになかった味。 フクイ氏いわく、コストとの兼ね合いも課題だとか・・・。

その他にもいくつもの企画品を試しているようだが、基本メニューは厳選しているらしく、4品にまとめられている。

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  「フクイのカレー」とは
  愛知県豊橋のカレーシェフ・福井英史氏が作る至極のカレー。 
  現在、電話(0532-61-4269)による通販でしか入手することができません。

  (紹介されているサイト

e0028123_11313429.jpg ポークカレー辛口   400g (2食分) ¥656
 ハヤシソース     400g (2食分) ¥709
 ポークカレー2009  400g (2食分) ¥758
 フクイのカレー2009 450g (2食分) ¥860

 おまかせ (お電話にて直接お問い合わせ下さい)
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# by Hhisamoto | 2009-02-08 09:55 | ●『フクイのカレー』

六花亭の「マルセイバターサンド」

e0028123_12305436.jpg最近の我が家のブームは、六花亭の「マルセイバターサンド」。

デパートなどで、北海道フェアとか、北海道物産展が行われると必ず出品されるので、すかさず買いに行く! あのサクサク感とレーズンバターのバランスが絶妙。 小川軒のレーズンウィッチなど、レーズンサンドは東京にも数あれど、今はこの「マルセイバターサンド」にはまっている。 今日もバターサンドを食べながら新聞を読んでいると、陸上の朝原宣治とシンクロの奥野史子夫妻の記事が目にとまった。 僕のなかでこの二人はちょっといい話しとして心に残っている。

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北京オリンピックリレーの銅メダリスト・朝原宣治さんが、妻とするシンクロの奥野史子さんと出会ったのは同志社大学のころだという。 当時の奥野はすでに国際大会で活躍するホープとして注目をあびていた。 ワールドカップ、世界選手権、そしてバルセロナ五輪では銅メダルを獲得する。 一方の朝原は、五輪選考会で落選。 彼女の活躍をテレビで観戦する。 翌年の世界選手権も落選した朝原には、当時の彼女がまぶしく見えてしかたがなかったという。 そばにいても別の世界へ行ってしまった彼女と、「陸上は大学で終わりにしよう」と思っている情けない自分がいた。

しかし、そんな朝原の心にカチッと火がともった。
このまま陸上をやめてしまうのは、あまりにもみじめと感じた彼が選んだ道は、当時は困難とされていた海外を拠点にしての武者修行の道。 ドイツを練習拠点にして欧州の競技会に毎週末参戦する日々をすごす。 つらかったが、強くなりたいという想いが勝った。 失敗は絶対に許されない。 なんとしても成功するんだ。 と自分に言い聞かせながらドイツで5年間をすごした。 さらに30歳を前に、2年間を米国に渡り、世界トップクラスのスプリンターと一緒に練習を重ね、自分を追い込んだという。

北京オリンピックのリレーで銅メダルを勝ち取った瞬間の朝原。 すでに二児の母となった妻・史子さんは、そのスタンドで感極まって嬉し涙を流し続けていた。
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# by Hhisamoto | 2009-02-07 11:18 | ■B級グルメ

さだやす 圭 『ああ播磨灘』

e0028123_2211297.jpgひと昔前に、けっこう気に入っていた相撲漫画、『ああ 播磨灘』(さだやす 圭)というのがあった。

やたらと強い横綱なのだが、暴言を吐いたり、礼儀を疎んじるなど、どうにも素行がよろしくない。 特に愛宕山理事長との確執があり、協会とも折り合いが悪い。 しかし、各力士はなんとかこの強い横綱に土をつけることを目指して、必死に挑むので、播磨灘の取組みは常に異様な熱気を帯びる。 悪役なのだが、その横綱が負けるのを見たがるファンで、土俵は大いに盛り上がる。 
・・・この横綱は、まさに「朝青龍」そのものだなぁ などと思いだしてしまった。

若麒麟の処分が「除名」ではなく、退職金も出る「解雇」となった。 この処分に対して世論はやたらと厳しい。 大麻に対する世間の目が、欧米の社会に比べて日本が厳しいのは非常にいいことだと思う。 しかし、若い人間の立ち直りに期待を寄せず、角界浄化のためには社会的に葬るべきだ、と言わんばかりのマスコミや、にわかコメンテーターの盛り上がりには、魔女狩り的な怖さを感じる。

正論は時に勢いがつき過ぎて怖い。
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# by Hhisamoto | 2009-02-02 22:15 | ■えせ文化人(本、映画・・)

和食三昧

e0028123_22394865.jpg2月1日は、父親の80歳の誕生日と、結婚50周年を祝う会を、渋谷東急プラザの和食の店『いらか』で行った。 1月30日には、西麻布の「分とく山」で、いつもの仲間と最高の日本食を堪能したばかり。 それでも和食は、我々日本人に合っているのか、飽きることなく食べられる気がした。
父の話しで興味深かったのは、仲のよかったプロレスラー「大木金太郎」の話し。
渋谷で商売をしていたころの父と親しかった大木金太郎は、選手としての晩年の頃、第2の人生のための事業欲がむくむくを起ってきたらしく、よく飲食店を出す計画を父に話したという。 韓国に帰ってからの出店計画などを含め、いろいろな夢をふくらませたらしいが、結局は、さまざまな取り巻き連中にたかられ、資金も底をついたらしい。 「金ちゃんは、お人好しだったからなぁ」と、懐かしそうに語る父だった。
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# by Hhisamoto | 2009-02-01 17:30 | ■B級グルメ

朝青龍のド根性をみた!

e0028123_1925651.jpg横綱総見では、まるきりいいとこなし。 
土俵外のちゃんこ屋のことの方が気に掛かるのか。
稽古不足。 土俵をなめるな!
審議委員会は引退勧告か?

マスコミだけではなく、横綱審議委員や解説の北の富士など、角界の先輩たちに至るまで、「このまま土俵に上がっても結果は見えている」と声をそろえた。
これほど徹底して敵視された横綱も珍しい。

だけどこの人は、ここからが強い。
アウェーの状況から14日まで白星を並べて全勝。

千秋楽は、全勝の朝青龍と一敗で追う白鵬との決戦。
呼吸が合わなかった朝青龍が白鵬に一気に寄り切られ、同星決戦を迎えることに。
控え室に戻った朝青龍は、悔し涙を抑えるような表情でテッポウを打つ。

この人は、追い込まれると「なにくそ魂」がグイグイと頭をもたげてくるのだろう。
優勝決定戦では、みごとに集中した相撲で朝青龍が白鵬を寄り切った。
花道を戻る朝青龍の目がうるむ。 ・・苦しかったろうなと思う。

勝利者インタビューでは、「苦境からの優勝」を語らせようとするインタビュアーの目論みをダイナミックにいなして、「戻って来ました。これからもガンバル・・」と多くを語らない姿に男らしさを感じた相撲ファンは私だけではなかったと思う。
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# by Hhisamoto | 2009-01-25 18:08 | ■おやじスポーツ

国立 安心おやつの 『はらドーナッツ』

国立のシュタイナー幼稚園「星の子」の運営委員会があった帰り道、カリーサロン「さくむら」でビーフカレーを食べる。 「さくむら」のマスターは、美味しいカレーの味を求めて食べ歩いたが、なかなか見つからず、自分の理想の味は自分自身で作り上げるしかないとの考えに至り、勤め人の頃から20年余りをかけてこの味を作り出したと話してくれた。 印象的なカレーとしては、虎ノ門「赤トンボ」のカレーなどを挙げていたように、どうやらマスターは欧風カレーを極めようとしているようだ。

e0028123_175970.jpgさらに帰り道、新しくできたドーナッツ屋『はらドーナッツ』で、子どもたちのためにドーナッツを買い込む。

この場所は、昨年まで「香鈴亭」という美味しいカレー屋があった場所だ。
安心おやつと銘打った『はらドーナッツ』は、10種類ほどのドーナッツをその場で揚げて、できたてを売っている。 何店舗か各地に出店しているらしいが、元は「原とうふ店」というとうふ屋がそのオカラを利用してドーナッツを作ったところから始まったらしい。 揚げたての香りの良さと、全粒粉がバランスよく使われているためか、味に深みがあってとても美味しい。


e0028123_1752697.jpg自分のためには、「ノイ・フランク」で、ローフトビーフを200グラム切ってもらった。

「ノイ・フランク」は、手づくりソーセージを販売する店であり、かつ店舗の奥にレストランもある。 限定販売している沖縄のアグー豚を楽しみにしている地元の方も多いらしい。

ローストビーフにかけるソースは、バターを火にかけて、しょうゆとレモンを使った「レモンバターしょうゆ」にしてみるか、それともオリーブオイルとにんにくで「ガーリックソース」を作るか?迷う。
いずれにしても、日曜の午後は、ビールとローストビーフで決まり!
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# by Hhisamoto | 2009-01-18 17:27 | ■B級グルメ

焼いもには「紅あずま」を

e0028123_8394455.jpg家族五人で富士吉田のロッジに2泊3日で泊り込み、火をおこして煮炊きをする生活をした。
 (こんなアウトドアを一度やってみたかったのだ!)

選んだのはPICA富士吉田というキャンプ村のロッジ。 山中湖など富士五湖周辺に「オーガニック」「人と自然」などをキーワードに運営されているアウトドアリゾートだ。

「なんでこんな寒い時期に、富士山のふもとでアウトドアなの? キャンプとかって夏にするものじゃないの?」 という嫁さんの問いかけに押されながらも、「夏のキャンプなんて、女こどものすることだ」と、嫁さんと娘を相手に必死に反論・説得した。

不肖・私が描くアウトドアのイメージは、吐息が白く目立つ漆黒の夜に、集めた枯れ枝をパチパチと燃やしながら静かに人生を語るC.W.ニコルだ。 ウイスキーの小瓶をチビチビとすすれば、いぶく煙が目にしみる。 そんな光景なのだ! 本物のアウトドアは、厚手のワークシャツを着て、吐息が白くならなきゃダメなのだ! 

鉄板を使ってやきそばを作りながら、炭焼きの火元で焼いもを焼いた。
街道沿いの八百屋で買い込んだ「紅あずま」というサツマイモを、アルミホイルで包み、炭火に放り込んだだけだが、忘れた頃に取り出して食べると、最高にうまかった。

水分を多く含んでいるため、ホクホクというよりもっちりとやわらかく、しかも甘い。
洋菓子のスイートポテト、和菓子の芋ようかん、に近い食感。
アーミーナイフで縦半分に割って、スプーンですくい取るように食べることができる。 

焼いもに使うサツマイモは、「紅あずま」で決まりです!
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# by Hhisamoto | 2008-12-30 08:38 | ■B級グルメ