高橋尚子のこころ

5月7日、江川卓の「スポーツうるぐす」で、高橋尚子の姿を追うドキュメントが流れた。
そのインタビューの中で、2種類の円グラフを用いたクイズが高橋に出された。

e0028123_23182097.jpgひとつは、高橋尚子やアテネ五輪女子マラソンの金メダリスト野口みずき、渋井陽子、有力若手選手たちの名前が、ほとんど差のない割合で並んでいたと記憶している。

インタビュアーから高橋へのクイズは、「これは何のアンケート結果だか分かりますか?」というものだった。 分からずに答えを求めた高橋が、隠された解答欄をはずすと、『北京オリンピックで金メダルがとれると思う選手は?』、という設問だったことが分かった。 高橋は、わずかな差だが一位にいる自分にとまどった。

2番目の円グラフは、その約半分の割合が高橋のものだった。 登場する面々は同様なマラソンランナーたちだが、高橋が圧倒的に割合を占めている。 何の設問か、高橋にはまったく思い当たらなかった。 解答欄をはがして見えた設問は、『北京オリンピックで金メダルを取って欲しい選手は?』 というものだった。 

これを見た高橋は「こういうのは胸に響く」といって涙をぽろぽろとこぼした。 そして、支えてくれる人がいるから、しっかりとしたトレーニングをしなければならない気持ちになると言った。 

街頭でアンケートに答える人々の映像は、「高橋選手からは勇気を与えてもらった。 もうひと花咲かせてほしい。」といった内容がほとんどだった。 別の映像では、イベントマラソンのゴール前を何度も何度も往復して、参加者と肩を並べてゴールするシーンを演出する彼女の姿が流れた。 「みんなで走る喜びを分かち合いたい。 楽しさを伝えたい。」 との思いからだという。 

彼女が金メダルをとって国民栄誉賞候補になった時、「20代の独身の女性にとっては、かえって重荷になるのではないか」 との気遣いも少なくなかったのを覚えている。 また、金メダルを一回取っただけでの受賞は、ふし穴の目をもつ当時の総理大臣・森喜朗の気まぐれだ、という声さえある。 国民栄誉賞なんてどうでもいいことだけれど、いまの彼女は最も国民栄誉賞が似合う女性だと私は思う。
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by Hhisamoto | 2006-05-08 23:09 | ■おやじスポーツ
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